米ABC放送の深夜トーク番組『Jimmy Kimmel Live!(ジミー・キンメル・ライブ!)』の司会者ジミー・キンメル氏による、ドナルド・トランプ氏や保守派陣営に対する発言およびレトリックについて、保守派メディアや支持者層から「政治的暴力を容認・誘発している」として強い反発を招いた主な事例の記録です。またスティーブン・コルベアについても追記してあります。
この放送のわずか数日後(7月13日)にペンシルベニア州バトラーでトランプ氏への暗殺未遂事件が発生。トランプ氏が負傷し、聴衆に死傷者が出る惨事となったため、保守派やSNS上では「トランプの死や暗殺をカジュアルに扱うような言説が、結果として暴力を容認する空気を作っていたのではないか」と激しい抗議が巻き起こりました。
キンメル氏をはじめとする深夜番組のホストたちは、日頃からカーク氏らを「民主主義を破壊するファシスト」「ヘイトの拡散者」と激しい言葉でレッテル貼りし、弾劾し続けていました。この凄惨な暗殺事件の後、彼らが身内の過激な言説や冷笑的な空気を真摯に総括せず、むしろ「因果応報」であるかのように看過した姿勢に対し、保守派からは「長年にわたり保守派を『排除すべき悪』として描き、暴力のハードルを下げ続けたメディアの責任は極めて重い」と、怒りと弾劾の声が最高潮に達しました。
【政治的ドーピングの限界と4,000万ドルの巨額赤字】
スティーヴン・コルベア氏が率いる『ザ・レイト・ショー』は、トランプ氏への執拗な攻撃レトリックという「政治的ドーピング」によって左派・民主党支持層を熱狂させ、表面上は9年連続で深夜枠視聴率1位を維持していました。しかしその実態は、全米の大衆を巻き込む「誰もが笑えるクリーンなエンタメ」としての魅力を完全に失った身内向けのエコーチェンバー(類友空間)であり、一般企業の広告離れを招いた結果、年間約4,000万ドル(約60億円)もの巨額赤字を垂れ流す経営の重荷へと破綻していました。
【裏で動いた巨大資本の『大人の事情』】
決定打となったのは、親会社パラマウント・グローバルがトランプ氏側から起こされていた『60ミニッツ』の編集を巡る訴訟に対し、1,600万ドルの和解金を支払って幕引きを図ったことでした。これに対しコルベア氏が自社番組内で親会社を「大統領へのデカい賄賂(Big fat bribe)」と猛批判した直後、事態は急変します。当時、親会社はスカイダンス・メディアとの80億ドル規模の巨額企業合併を控えており、トランプ政権(連邦通信委員会:FCC等)からの買収承認を何としてでも勝ち取る必要がありました。政権を激しく攻撃し続ける「一番の目の上のタンコブ」であったコルベア氏は、巨大な政治・経済の資本論理における『生贄』として切り捨てられ、CBSは33年続いた『レイト・ショー』ブランドの永久廃止(フランチャイズの退役)を電撃発表しました。これを受けてトランプ氏は自身のSNS(Truth Social)で「コメディの才能がない男がクビ(Fired)になった。心から喜んでいる」と公式に戦勝宣言を行いました。
【政治に殺されたエンタメの哀しい最終回(2026年5月21日)】
そして2026年5月21日、11年続いた番組は最終回(シリーズフィナーレ)を迎えました。かつてのトランプ叩きの熱狂は消え去り、盟友トム・ハンクスからタイプライターを贈られ、デイヴィッド・バーンらとTalking Headsの「Burning Down the House」を歌うなど、どこか哀愁漂う空気が劇場を包みました。最後はポール・マッカートニーが登場し、「Hello, Goodbye」の演奏で深夜テレビの一大時代の終焉を告げました。翌日からの同枠は、政治色の一切ない、他社から安く買い叩いたバイロン・アレン氏の低コストな漫談番組『Comics Unleashed』へと格下げされ、政治的対立を燃料に延命を図ったリベラル・エンタメが、最後は資本と権力にあっけなくトラッシュ(ゴミ箱)に放り込まれるという、象徴的な結末を記録しました。